◆京都の和菓子店・甘味処◆ (2006.9月〜)
N04.大原女屋(おはらめや)・・京都にちなんだ故事・史跡の創作菓子
東山区祇園町北側 2006.10.1
●大海人皇子さん「矢背(やせ・八瀬)でヤセがまんしちゃいけないよ」・・和菓子「かま風呂」
★創業
神戸の地でで明治30年(1897)に創業しました。京都の祇園には菊水煎餅として明治40年に開業。当初は「一品一点主義」で祇園に6店ありましたが戦時中の強制撤去で縮小を余儀なくされ、現在の地に一店舗だけ構えています
★店のモットー
「お客様第一」・・先代から受け継いだ商売の基本中の基本を大切にしています
◇京都に因んだ故事・史跡へのこだわり
代表菓子・・「かま風呂」・・大海人皇子矢背伝説の菓子
初代当主・藤吉が八瀬(大原・・店の名にも)で見学した釜風呂をヒントに、壬申の乱の故事に因んで制作。大正14年に発売し長く人々に愛されてきました。昭和の高度経済成長期(1970〜)に需要が増えて、丸形のかわいらしい「かま風呂」は店のヒット商品になりました。柚風味の白あん(写真)と黒糖風味の小豆あんがあります。大きさも大(吟上)と小の2種類があります。上品な甘みが特徴です。
【壬申の乱(672年)の時、大海人皇子が京都の洛北の地に難を逃れました。その時、矢背(八瀬)の里で背に傷を被った時、里人がけがの治癒のため釜風呂を築いて皇子の傷が治った・・という故事に因むものです。大海人皇子の背に矢があたったので矢背という地名になっています】
釜風呂は現在も八瀬の地にあります。丸い形をした和風サウナで江戸時代には十数基ありましたが現在は1基だけ復元されて残っています。八瀬は平安貴族のやすらぎの里としても愛されてきました。
この他に、知恩院七不思議のひとつ・左甚五郎の「わすれ傘」があります。これも当店の代表菓子です。こしあんを最中の皮で包んだもので人気があります。
★良心的な価格・・「かま風呂」(小・120円、大・210円)、「わすれ傘」(1本100円)・・と通常は代表銘菓の価格設定は高めにするところを求めやすい価格に設定してあります。祇園の四条通に面する一等地においてばら売りでこの価格・・というのは当店のモットー・「お客様第一主義」で良心的な誠実さが伝わってきます。
当店は、京都の故事に恥じないように誠心誠意、日々研鑽につとめているそうです。この他に「苔のみどり」(つぶあんに青のりをほどこしたもの)や季節に応じて夏場は涼果も作っています。
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