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NO8. (2005.12.17)

1.海柘榴市(つばいち)跡 奈良県桜井市金屋   
2.恋の万葉花・・「市」での出会い・・男女のみなさん、市(位置)についてヨーイどん!      

★海柘榴市(つばいち)跡
海柘榴市の名は万葉集や枕草子にもその名が見える。現在は道標と観音がのこるだけで、住宅地になっている。かつては山辺の道、初瀬街道などの主要な街道が交わる交通の要衝で、大勢の人が集まって市場となり賑わっていた。(写真;「海柘榴市跡の看板」だけが残っている)

●市は万葉時代の前からあった

最古の貨幣、富本銭が出回る前から市があり、大勢の人でにぎわっていた。3世紀の中国の史書『魏志倭人伝』には、たくさんの市が各地にあり大倭の支配を受けていた・・とされています。

市の種類・・◇大和の軽市・海柘榴市(つばいち)、大小さまざまの市・・市の司が監督をしていた
◇藤原京・平城京の東西の市(東西の運河で物資の輸送がされた)・・政府の保護と監督のもとに運営されていた。「市」は政府の重要な経済活動の機関とともに都で生活する人のマーケットとして、特別の繁栄をみせた。

市の機能・・ただものを売るだけの場所ではなかった

@男女の出会いの場 
A貴族の華やかな生活と庶民が触れあう場所

●海柘榴市(つばいち)・・小野妹子の帰国に同行した随の国史斐世清は、この市で75頭の飾り馬を連ねた大歓迎を受けている

●軽市・・天武天皇の行事に従う王族・貴族が自慢の馬をひきつれて勢揃いした

B大道芸人の場・・辻芸人、辻音楽師、鼓笛の奏者をともなった大曲芸団・・芸を生活の糧にしていた
C乞食の物乞いの場 
D表彰の場・・有能な官人が大勢の前で表彰された 
E処刑の場、死刑執行の場・・良いことばかりでなく、時には残忍な場になった
F商売の場・・市は昼に開き、太鼓の音で、夕方閉じられる。

【規則】
 ・市以外での売り買いは禁止されていた ・市の役人によって価格が決められていた ・商品の看板の義務付け ・升や天秤は国の検定を受ける ・不良品やまがい物は役人が没収・・など細かい規則があった。

【取り扱われていたもの】・・米・穀物・野菜・果物・海草・魚・調味料  絹・木綿・麻の織物や糸、仕立て済みの衣類、焼き物や木製の食器・調度品、紙や筆類、櫛・玉の装身具、鉄の工具や武具、牛馬、奴隷・・(参考文献『萬葉の衣食住』・飛鳥資料館)(写真;「つば市跡」付近の畑)


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★恋の万葉花・・・「市」は見知らぬ男女の出会いの場だった


万葉花N◆天飛ぶ軽乙女下々にも寄り寝て通れ 軽乙女ども (市の乙女を歌った、軽太子の歌)


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万葉花O
紫は 灰指す(はいさす)ものそ 海柘榴市(つばいち) 八十(やそ)のちまたに 逢える児(こ)や誰(たれ) 
(女に声をかけた男の歌 巻12 三一〇一)

(紫は灰汁・あくをさすものですよ。人々が大勢あつまる「つば市」で会ったあなたは、誰でしょうか・・・紫の色はあくをさして美しくなるのですよ。女も男に恋されて美しくなるのですよ。だからあなたもわたしとつきあいませんか、名前はなんていうの?)

万葉花P
◆たらちねの 母が呼ぶ名を 申さめど 路行く人を 誰と知りてか 
(声をかけられた女の歌 巻12 三一〇二)

(家族が呼んでいる名を申したいのですが、行きずりの人をだれと知って告げるのでしょうか・・名をいってもいいけど、会ったばかりのよく知らない人に教えられません)
 

☆★恋のきっかけは相手に歌を送ること・・返答するとその気があるということになります★☆
男の人の歌に女の人が答えているので、恋のきっかけはできたようです。まったく興味が無いときは歌を返さなかったそうです。女の人が名前を言えば「恋の成立」だったそうです。古代の市場って
ろまんチックですね・・・。



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