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NO1.●元々万葉の世界が好き・・・万葉の世界へタイムスリップ!(2005.9.4)


私が万葉の世界に足を踏み入れたのは、大学1年の時からです。井上靖さんの『額田王(ぬかだのおおきみ)』を読んでからです。額田王の歌で好きな歌は有名な定番の歌です。(写真は「万葉のうたひめ」さえら書房)

1.額田王の歌

万葉花@ ◇熟田津(にぎたづ)に 船(ふな)のりせむと 月待てば 潮もかなひぬ いまは漕ぎ出(い)でな


熟田津(にぎたづ)に 船出しようと、月を待っていると、潮も船出に適当な満潮となった。さあ漕ぎ出そう。

斉明7年(661)正月14日、四国伊予の国の西北岸にある熟田津(にぎたづ)の港には何十隻という軍船が集結していました。その軍船には、斉明女帝をはじめ、中大兄皇子・大海人皇子・中臣鎌足・・と蒼々たるメンバーが乗り込んでいました。九州まで行って、滅亡した百済の再興・救援のための船です。出発前はずいぶん議論が尽くされたようです。

額田王は中大兄皇子に代わって歌を詠んだそうです。船団が出発するときは、天皇クラスの人が歌を詠むそうです。出発に際しての力強さが感じられます。
ちなみに、3ヶ月に及ぶ長旅の疲れで、九州の筑紫で斉明天皇はこの年、68才で他界します。中大兄皇子はこの10年後に亡くなります。壬申の乱が勃発していない穏やかな時期の歌です。


万葉花A ◇あかねさす むらさき野ゆき 標野(しめの)ゆき 野守は見ずや 君が袖ふる

ムラサキが茂っている標野をあちらこちら行き交いながら、あなた(大海人皇子)が袖を振っていらっしゃる。そんなことをなさったら野守が見とがめるのではないでしょうか。

天智7年(668)、琵琶湖の東岸の蒲生野(がもうの)で行われた、薬がりの折りに詠まれた歌です。薬がりは男の人は新しく生え替わったシカのフクロズノをとり、女の人は薬草を摘んだそうです。
大海人皇子の
「紫草(むらさき)の にほへる妹を にくくあらば 人妻ゆえに われ恋めやも」とセットになっている歌ですが、薬がりの後の余興として詠われたという説もあるようです。この時、額田王は天智天皇の后になっていますが、以前に大海人皇子との間に十市皇女をもうけています。

数年前、明日香村の万葉文化館で見た『万葉劇場』
で上演されていたのが『額田王』でした。ちょうどこの時の薬草がりの場面でした。人形と映像による歌劇で、このふたつの歌が詠まれていました。
歌劇ですが過激ではありませんでした。



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2.万葉の展覧会


@『なら平城京展』・・図録は奈良国立文化財研究所編集・・1998年 三越美術館・新宿

朱雀門のレプリカや興福寺の阿修羅像のレプリカが印象的でした。平城京の地図がわかりやすく、長屋王・藤原不比等・藤原仲麻呂の邸宅の位置もしるされていました。貴族と庶民の暮らしのようすや木簡の展示などもありました。


A『飛鳥・藤原京展』・図録は奈良国立文化財研究所編集・・2002年 東京都美術館

奈良国立文化財研究所の創立50周年記念として展覧会が開催されました。
藤ノ木
古墳の馬具・飛鳥の石像物・飛鳥寺の発掘のようすや出土品・聖徳太子と斑鳩寺・酒船遺跡の亀形石造物・天智天皇、天武天皇時代・壬申の乱の兵士のようすや富本銭の展示・キトラ古墳の朱雀のパネル展示などが印象的です。


B『東大寺のすべて』・・図録は奈良国立博物館編集・・2002年 奈良国立博物館

天平勝宝4年(752)の4月9日、大仏の開眼供養が行われて、ちょうど1250年の記念事業として展覧会が開催されました。東大寺縁起絵巻や、日光・月光菩薩、四天王像、不空絹索観音立像などの秘仏の公開や、開眼供養に使われた道具、舞楽面・東大寺の出土品など多数展示されていました。図録が分厚くてよく持ち帰れたな・・と思いました。



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3.万葉の書物


@『萬葉の衣食住』・・飛鳥資料館発行・・飛鳥の市のようすや、貴族・庶民の家の様子がわかりやすい。庶民の家の敷地もなかなか広いので驚きです。


A『万葉日本画の世界』・・万葉文化館発行・・文化館収蔵の日本画の作品と解説が載っています。どの絵も題材が万葉からになっています。特に印象的なのは、大海人皇子と額田王との間に生まれた十市皇女の寂しそうな姿の絵が印象的です。文化館でも展示されていました。十市皇女は壬申の乱で夫と父親の狭間に立つ不幸な身の上となります。


B『大和の味』・・田中敏子 奈良新聞社・・奈良県に伝わる季節料理や行事食などを写真入りで丁寧に解説しています。茶粥や柿の葉寿司のほかに、くず料理は、くずの葉の写真やさらし方が書かれています。寺や神社に伝わる食事も紹介されています。春日大社の唐菓子のブトや、談山神社の百味のお供えなども紹介されています。



C『万葉 明日香路』・・上山好庸写真集・・光村推古書院・・明日香在住のカメラマンが撮影した明日香の写真がすてきです。特に棚田が美しいです。春の石舞台古墳や、橘寺の曼珠沙華のある景色もすてきです。

D『ようこそダジャレ万葉塾へ』・・青山ろまん・・碧天舎・「ダジャレと万葉」のコラボレーションです。2003年に毎日中学生新聞にB4サイズで、自著が紹介されました。インタビューの時間は1時間ちょっとでした。


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