◆◆江戸時代 ゆかりの地

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★読書の記録 『乱紋』・・浅井三姉妹、お江を中心とする

 
2011.1  

『乱紋』・・永井路子著  文春文庫

【永井路子・・1925年東京に生まれる。東京女子大国語専攻学部卒業。直木賞、菊池ェ賞、吉川英治文学賞など、数々の賞に輝く。『歴史を騒がせた女たち』など、歴史小説を手がける。】

来年のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』が始まるのを期に、書店では浅井三姉妹をテーマとした書物が増えてきた。本書は、三姉妹の末娘、お江(1573〜1626)を中心として物語が組まれている。姉、茶々の一生も劇的であったが、お江(ごう)の人生も一転、二転、三転と劇的。お江は10歳の時、母・お市を亡くす。母は賤ヶ岳の合戦で敗戦した夫柴田勝家と運命を共にし自害した。母を自害に追い込んだ敵方の秀吉が、浅井三姉妹は主君織田信長の姪にあたることから、姉妹の嫁ぎ先を次々に決めていく。

秀吉の計らいで、お江は14才で尾張の佐治与九郎(一成)の元へ嫁ぐ。秀吉の親族にあたるわずか5万石の大名だが、小牧・長久手の戦いで織田信雄・徳川家康方に加担し、佐治家は没落。お江は19才で離婚を余儀なくされる。姉妹で一番先に嫁ぎ、一番先に離縁される。後に秀吉の姉の次男・豊臣秀勝と再婚するが、夫は朝鮮に出兵し、そこで病気で亡くなる。夫が亡くなった後、女児・おきい(完子・さだこ)が生まれる。お江は22才の文禄4年(1595)、秀吉の命で徳川家康の三男・徳川秀忠と再々婚をする。秀忠はこの時、再婚。お江は、姉の淀君に娘、おきいをあずける。お江は徳川への人質として送られるが、5年後の1600年・関ヶ原の合戦で運命が好転する。前半生は、苦労続きであったが、後半の半生は現代用語でいうと完全に勝ち組になってしまった。将軍の正室、2男5女をもうけ、その地位が不動のものとなった。


【感想】

■本の装丁が、上品で美しい。いかにも華麗な女主人公を彷彿とさせる表紙である

■秀吉が三姉妹のめんどうをみたり、密接に関わった背景には

@信長の血筋・・信長の臣下としての責任と自分の地位の安定

Aお市を死に追いやった罪悪感

B元々、お市を好んでいた→お市の血筋を身内に置きたい→実際にお茶々を側室にゲット(元々、サラブレットの血筋を好む傾向がある。)

C政治的に、徳川への人質として利用する・・などが考えられる

■秀吉が、かくも浅井姉妹と密接に関わっていたとは驚きでした。

お江の逆転人生・・秀吉の側室となって栄花を極めた姉・淀君、大坂夏の陣で散っていった姉・淀君とのまさかの運命の逆転・・。このように運命が極端に間逆になった姉妹も歴史上では珍しいと思う。

本書ではお江は、純朴で姉妹の中で、機転が利かずおっとりしたおとなしい性格で描写されている。京極高次に嫁いだお初とのやりとりも絶妙である。お江に対する評価は、おっとりしていた・しっかりしていた・秀忠が側室を持たなかったのは恐妻家だったから・・などさまざまである。お江は3度も嫁ぎ先が変わり、運命に逆らわない従順で温厚な性格だったような気がする。


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