◆◆江戸時代 ゆかりの地

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徳川の夫人たち上・下」

大奥・家光に最も愛された側室・お万の方

・・美しくも哀れな紫衣の尼君
 
吉屋信子 朝日新聞社
 2005.12

☆☆本書は、4ヶ月前に購入して、そのままになっていました。「大奥第二章」のテーマにもなった題材です。
この書は著者が70才をむかえた昭和41年(1966)、朝日新聞の連載で執筆され、晩年の代表作となったものです。

著者は当初、諸々の徳川夫人について書く予定だったそうですが、家光公の側室、お万の方の魅力に作者自身が惚れ込み、この方1本に絞り込むことに決めたそうです。ドロドロした大奥において、仏門に身を置いていたときと同じように清い心を失わなかった「紫衣の尼君ことお万の方」が存分に書かれています。
公家の出でかつ尼だった側室は、お万の方だけだそうです。著者はお万の方を観音信仰のように、彼女を生き仏のように美しく表現しています。


☆★お万の方は、少女(満子)の頃から仏門に帰依し、伊勢慶光院の住持となった父・六条宰相藤原有澄の代替わりの挨拶のために江戸に赴き、将軍家光に気に入られてしまいます。家光に世継ぎがなく困っていた、春日局はこのお万の方の大奥入りを積極的に推し進めます。家光の側室に・・と話を聞いたときに17才の満子はショックで気を失います。仏門に帰依していたのに還俗させられ、いやいや家光の側室になります。
お万の方は家光にとって、愛人であり、母のような存在であり、久遠の女性であった・・。文の中で、著者は策略家としての春日局を、お万の方はどうしても好きになれなかった・・と書いてありますが、それは著者の気持ちを、そのまま具現したものかもしれません。

★☆お万の方は家光の御台所・孝子の弟で2才違いの、鷹司信平に恋をして、悶々とした日々を過ごします。この恋を貫けば二人はどんな裁きも受けなければなりません。好きな人がいながら、将軍に逆らえない悲しさが伝わってきます。信平との出会いは最初にして最後の恋、悲恋となりました。そして大奥総取締となり、家光の傍妾から離れることを希望します。

著者は冒頭部分で、徳川の夫人で幸せに暮らした人は少ないとも述べています・・権力の犠牲になった女人は数知れず・・戦国時代の女性もそうでした。


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