★ＮＨＫ「その時歴史」・・「平安京誕生」桓武天皇の功績 ２００８．１２．１７放送
写真；桓武天皇・孝明天皇を祀った鳳輦（ほう れん）と（時代祭・京都御所建礼門前）
◆平安京・・長岡遷都時代の失敗の教訓を生かし、リベンジされた都
■平城京時代
７８０年・・桓武天皇は４５才で即位したが、光仁天皇と地方豪族の娘との間に生まれたが、不安や不満を持つ物が多かった。密かに謀反を企てる者がいてその政権基盤は危ういものがあった。
平城京の問題点
①仏教勢力による妨げ・・僧侶の中には天皇の地位を狙う動きがあった ②貴族の中での圧力 ③水量の少ない川・・物資の運搬が困難、汚物による非衛生的な都市問題が発生→遷都への決意
■長岡京遷都・延暦３（７８４年）・・平城京から４０Ｋｍの地
長岡京の目的
①人心の一新 ②仏教寺院の建立・移転禁止をして仏教勢力を遠ざける ③水路・井戸の確保 ④下水対策
建設にあたり、平城宮の移築は止め、難波宮から川で瓦を運搬する。
●７８５年９月・・藤原種継事件・・側近の種継が暗殺される
東大寺の仏教勢力を含む、大がかりな陰謀で逮捕者は数十名にのぼり、桓武天皇の弟の早良親王も陰謀に加わっていたことが判明、身内の裏切りに大変なショックを受ける。早良親王は流罪となり、流罪の途中で亡くなり、暗雲が立ちこめる。
●７８９年・・長岡京遷都した４年後、政局はまだまだ不安定、不幸が天皇を苦しめる。
さらに追い打ちをかけるように、飢饉・天然痘の疫病流行、桓武天皇の后・母親が次々に亡くなり、息子も病になるなど、不幸が相次いで身に降りかかった。
天皇は弟の早良天皇の魂を鎮める儀式を行ったが、２ヶ月後、川が氾濫する。人々は天子の資格が無いと、天皇をののしり、不満を表す。
●７９３年・遷都の宣言をする
桓武天皇は徳のある天皇になるにはどうすれば良いのか思い悩んだ末、遷都を決意する。長岡京遷都の折は、狩りを装い極秘で進めたが、かえって不信感を招くので、遷都を公表した。平城京・長岡京の失敗は許されないので、候補地の視察が入念に行われた。
■平安京遷都・延暦１３（７９４年）１１月８日・・長岡京から１０Ｋｍの地
【平安京】・・「平安京」の詔発布・・天皇の意思による「平らかに安らかな都」という銘々による
①港の整備（淀津、大井津）・・食料・物資の安定供給
②洪水対策・・水量調節・・東と西に堀川を造る
③空海らを招き、仏教寺院の東寺・西寺を建て、仏教を盛り込み都を守らせる
④東市・西市の設置
◆結果◆
全国から物資が集まり暮らしが豊かになる。長岡京の失敗の教訓が生かされ、見事に平安京が万代宮（よろずのみや）として生まれ変わったのである。８０６年、７０才で亡くなるまで都の整備に尽力された。桓武天皇の不撓不屈の精神は今日にも人々の心にしかりと刻み込まれているのである。写真；桓武天皇を祀った鳳輦（ほう れん）と、鳳輦を曳く黄褐色の衣の駕興丁の人たち
（時代祭・・京都御苑）
