★NHK・その時歴史は動いた 「真田一族・十勇士物語の源流」・・真田昌幸（幸村の父）と民衆の強い絆
ＮＨＫ（再）・２００６年１２月１９日
写真；上田城・上田城内の昌幸の人形）
【真田十勇士というと、猿飛佐助や霧隠才蔵などが有名ですが、これは勿論実在の人物ではなく、後世の人が講談にして語りつないできたキャラクターです。なぜ真田十勇士の源流が真田昌幸に関連があるのか「その時歴史・・」がひもときます】
●真田昌幸と民衆の防衛・・昌幸を支える民衆のパワーが真田十勇士を生んだ
●強敵・家康勢と激突すること２回・・前代未聞、奇想天外・奇抜なアイディアで敵を撃退させる
●昌幸の奇抜なおふれが功を奏す・・農民・町人、身分に関わらず、敵を一人討ち取ったら土地を１００石与える・・兵農分離政策の逆・・自分の土地は自分で守るという
真田昌幸は真田家の勢力を強固にした人物で有名です。真田信行・幸村の父にあたります。昌幸は２度、家康勢を信州上田で迎え討ちしますが、いずれも民衆の力で敵を撃退させています。
１５８４年、信長亡き後、「小牧・長久手の戦い」で秀吉に勝った家康は、飛ぶ鳥を落とす勢いで猛威をふるっていた。真田昌幸が領主の信州上田にもじりじり家康の陰がせまっていた。そんな折り、民衆は上田城の建築に協力した。女の人も子どもも築城に加わったという。城ができたとき昌幸は民衆を城に集めてお祝いしたという。
★第１回目（天正１３年・１５８５．８月２日）・・①妻子を含む民衆を籠城させる ②大木ころがし・連射・側攻 ③敵を包囲・焼き討ち
【完成した上田城めがけて家康勢が押し寄せた。城の三の丸が攻撃され、二の丸に敵が押し寄せた時、敵をじゅうぶんひきつけて、民衆は用意した大木をごろごろ敵めがけて落とした・・そのすきに鉄砲攻撃、側面からも攻撃した。さらに城下町のあちこちに柵をはりめぐらせて、逃げる敵を包囲して焼き討ちした。この時の家康勢の犠牲者は１３００人で５人に１人が戦死、一方真田勢はわずか４０人の犠牲ですみ九死に一生を得た。民衆の力が多大に発揮されたという】
★第２回目（慶長５年・１６００．９月６日・・関ヶ原合戦９日前）・・①煮えたぎった粥（かゆ）攻撃 ②弓矢に固い矢竹を使う ③川をせき止め、敵に放流
【関ヶ原合戦前に、３８０００人の徳川秀忠勢主力軍が上田城に押し寄せました。迎え撃つ真田勢はわずか２５００人・・と数の上でも軍事力でも優勢なのは徳川勢。誰が考えても真田に勝ち目の無い戦いに奇跡が起きる・・・
１回目の戦いと同じく妻子を含め城に籠城させる。女の人は粥をたくさん作って城に押し寄せた敵方に煮えたぎったかゆを浴びせて、人馬とも半死半傷を負わせたという。民衆は強固な矢竹を植え、合戦時の矢に仕立て敵を攻撃、さらに川をせきとめ、放流したので敵は濁流にのまれた。こうして秀忠主力軍は痛手を受け、撤退を強いられ、関ヶ原合戦に間に合わず、秀忠を家康が激怒したという。この真田との攻防の失敗により、徳川は西国を押さえることができなくなりこのことが後々まで影響することとなった。
★★☆その後の真田昌幸と上田☆★★●民衆の心に生き続ける昌幸・・今でも伝承されてる昌幸ゆかりの踊り・上田城攻防を伝える校歌
上田城は徳川によって取り壊されました。昌幸は、徳川監視のもと、和歌山県九度山に幽閉されました。幽閉先から長男の信行に手紙を送り、「上田のようすを知らせて欲しい」としたためたそうです。そして昌幸は関ヶ原の翌年・１６０１年に６５才で失意のうち亡くなりました。上田市真田町では今でも「三ツ頭獅子」という昌幸ゆかりの踊りが伝わっています。この踊りは民衆と一体となって上田城が竣工したとき、城で民衆が踊った祝いの踊りです。また真田の屋敷跡の上田高校では校歌に「・・♪関八州の精鋭をここにくじきし・・」と上田城攻防戦の歌詞が組み込まれてるという。
【感想】
昌幸は民衆に愛されていたと思う。昌幸は上田の領主になったとき、年貢を思い切って半減したという。領主は奢らず質素な暮らしをして、民衆に還元したことが信頼の絆になったと思う。昌幸は武田二十四将の１人だったので信玄の「人は石垣・人は城」の精神を引き継いでいたと思います。また真田家臣団に、武田家の浪人も組み入れ真田と武田にわけへだてなく重要なポストを与えたという。上田城攻防戦で成功したのは、昌幸の人格による部分が多いと思います。それにしても奇抜な作戦で２５００の真田が３８０００の徳川を撃退したのはほんとにすごいと思いました。昌幸と民衆の結束のパワーが「真田十勇士」という物語を生み出したということがわかりました。
