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bQ7 2011.6
堂本印象美術館・・「うつろいゆく時の詩(うた)」
美の巡礼・芸術の旅人と言われた印象
京都市北区平野上柳町26−3
当美術館は、きぬかけの道、立命館大学衣笠キャンパスの向かいに位置しています。近くに金閣寺、龍安寺、等持院、仁和寺があり歴史あるエリアに属しています。京都府立の当美術館は、衣笠山を借景としたモダンな美術館です。堂本印象は、日本画の巨匠ですが、建物が和風ではなく意表を突かれます。外装・内装全て自分で考えて設定したという。平成3年に京都府に作品・美術館とも寄贈されて、平成4年から京都府が運営している。
堂本印象(明治24年〜昭和50年、享年83才)は京都生まれ、京都市立美術工芸学校を卒業後、しばらく西陣織の図案描きに従事したあと、京都市立絵画専門学校に入学。帝展で何度も入選の経歴を持つ。
堂本印象の画風は四季のうつろいをやわらかな色彩で、時には水墨を使い表現する。その画題は、人物・風景・動物・・と多岐に及ぶ。古典的な日本画・宗教絵画から西洋絵画、抽象画・具象画風のものまで、一生の間に作風を一転二転三転と変革していった。心のありのままに、自由にダイナミックな筆致で晩年まで創作活動が行われた。『源氏物語』・・宿り木・早蕨・夕霧・御法などの模写も行う。
印象は障壁画の巨匠でもあった。障壁画の画題は100、600面という膨大な数を手がけた。大阪カテドラルマリア聖堂では、「栄光の聖母マリア・細川ガラシャ・高山右近」を描く。東寺・東福寺・西芳寺・高野山金剛峯寺など多数取り組む。また印象の菩提寺である浄土宗・法然院の襖絵『静風自来』も金色と濃淡の墨で、独特の作風となって仕上がっている。堂本印象はジャンルにとらわれず、自由闊達に生きた芸術家といえる。
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