黄檗禅宗瑞芝山 閑臥庵(かんがあん)B 普茶料理
京都市北区烏丸通り鞍馬口東入る 2009.11
■普茶(ふちゃ)料理
江戸時代初期(1661年頃)、中国明朝時代の黄檗宗が伝来し、宗祖である隠元禅師が広めた中国精進料理を「普茶料理」という。普茶とは、普(あまね)く多数の人にお茶を差し上げる・・という意味で、お寺での行事(仏事や会合)の時に、茶礼という儀式を行い、その後の慰労会で出される精進料理が普茶料理です。
■特徴
@中国精進料理で、350年の伝統を持ち、異国情緒豊か
A魚肉を一切使用しない・・魚のカツオ節は使わず、椎茸やコンブを使ってダシをとる
B旬の新鮮な素材をふんだんに使う
C高たんぱく・低カロリー・・豆や大豆の加工食品をたんぱく源として使う。卵は鳥なので使用しない。健康によく薬膳料理にも通じる。
Dくず粉をふんだんに用いる
E胡麻油を使用・・普茶料理がきっかけとなり、国内での油使用が広まった
F何かに擬した、もどき料理がある。 G福建省のお煎茶の流れをを汲む。
H宇宙を象徴する五色(青・黄・赤・白・黒)の食材を組み合わせ、繊細な美しさを表現。五色はこいのぼりの吹き流しにも用いられる。
I一つの長方形の座卓を4人で囲む
(人数により4〜5人ともなる。一品づつ大皿に盛りつけたものを分け合って食べるという中国様式が当時の日本人に珍重がられた。このスタイルは人々の親睦をはかるためであるとされている。左の写真のように座卓ではなく、テーブルにテーブルクロスを用いる場合も多々ある。)
■コース料理・・季節や予算(拝観料込み・5500円〜)により内容が少々異なります。普茶弁当(3500円)もあります
●抹茶・菓子 ●手書きの箸入れ
菜単(つぁいたん)・・メニュー・・全般的に上品な味付けがベース
●筍羹(しゅんかん)・・豆、巻繊、野菜の煮合わせ・・上品な味付けになっています。彩りも鮮やかで、食器や飾りも美しい
●澄子(すめ)・・汁物・・梅干しの日の出揚げ・・梅干しがカリッと香ばしく、しょっぱくなくとろみのついた汁も実においしい
●雲片(うんぺん)
野菜のクズかけ・・雲片とは野菜くずのこと・・人参、しいたけ、筍、こんにゃく、ごぼう、グリンピース、芥子の実・・7種類の野菜の旨味とだしの効いたクズのあんかけが絶妙。八宝菜の先駆けが雲片、雲片に肉が加わり八宝菜ができた。
●揚油(やんう)・・揚げ物・・蘭の花びら、しょうが、なす、ししとう、筍、まいたけ・・味付けされた天ぷらがおいしい。美しい蘭の花びら・・食べるのがもったいない・・
●浸菜(しんつぁい)・・浸しもの・・ごまやみそだれで青菜をあえています。丁字麩のからしあえもおいしい。
●巻繊・・生湯葉のくずかけ・・湯葉の巻物にしょうがを添えたあんかけがおいしい
●麻腐(まふ)・・胡麻豆腐・・胡麻とクズ、だしだけで作る本物。やわらかく、適度なコシもあり、くずれにくい。大変上品な味わいでおいしい。
●栗のもどき料理・・栗のイガには茶そうめんが使われている。中心のさつまいもの餡もおいしい。何かに擬して作る「もどき料理」も普茶料理の特徴といえる。
●酸菜(さんつぁい)・・酢のもの・・きゅうりや人参も使い色合いも、お酢の加減も良い
●飯子(はんつう)・・ごはん ●庵菜(えんつぁい)・・漬け物 ●吸い物・・汁物とは別に出される
●果菜(くおうさい)・・水物・・季節のみずみずしい果物がデザートとなる。
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