紫式部の部屋33

           

トップページに戻る

紫式部の目次に戻る

★『平安の気象予報士・紫式部』

石井和子著・講談社新書 2007.3

本書によると、紫式部は驚くほどの正確な気象観察のセンスを持ち合わせていたとされています。自分が経験したり、鋭く観察した自然現象を、物語全編の要所に巧みにとり入れることによって、場面の情景と共に、登場人物の心までが生き生きと映し出されています。

★ダイナミックな自然現象を効果的に表現した例・・「賢木・さかき」の帖・・自然も物語も劇的

光源氏と朧月夜の不倫発覚の原因は、梅雨末期の大雷雨。夏の夜明け、
「〜雨、にはかにおどろおどろしう降りて、神(雷)いたう鳴り騒ぐあかつきに、殿の君達、宮づかさなど、たち騒ぎて〜」・・右大臣家の人たちは激しい雷雨にあわてふためきます。源氏は明け方、家に戻るつもりでしたが大雨で帰れなくなります。

「〜神鳴りやみ、雨少しやみぬるほどに・・・村雨のまぎれにて、え知り給はぬに〜」・・雨は小降りになりましたが村雨が断続的にザーザー降っていました。朧月夜の父・右大臣が娘の様子を見にきます・・な、なんと源氏が娘の横に隠れているではありませんか・・右大臣は怒り心頭してしまいます。源氏は、父・桐壺院が亡くなったうえに、さらにこの事件によって足許が危うくなり、やむなく須磨の地へ落ち延びます。

★須磨から明石にかけては、肘笠雨(ひじがさあめ・・・笠をかぶる暇もないにわか雨、肘を頭上にかざして袖を笠の代わりとした)や、暴風雨が現れます。
              

トップページに戻る

紫式部の目次に戻る

SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO