京都の祭り (2006.4〜) トップページに戻る 目次に戻る
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NO11 (2006.5.8)
千本えんま堂大念佛狂言A・・京の三大大念佛狂言のひとつ・有言劇でおもしろい(嵯峨清涼寺狂言・壬生狂言)上京区廬山寺閻魔前町
えんま堂の狂言は、三大大念佛狂言として有名です。京都市の無形民俗文化財に指定されています。清涼寺や壬生寺の壬生狂言がパントマイムの無言劇なのに対し、えんま堂の狂言は有言劇なのでわかりやすい。喜劇なのでおもしろく笑える。狂言保存会の人も舞台挨拶で、「おもしろい時は大声で笑っていいです」とのことで、気楽に楽しめました。京都にはもう一つ、壬生狂言から派生した「神泉苑の大念佛狂言」もあります。神泉苑の狂言も、えんま堂と同時期に行われます。
★「能・狂言」と「大念佛狂言」の共通点と相違点
項目 | 能・狂言 | 大念佛狂言 |
発祥地 (共通点) |
京都 | 京都 |
隆盛期 (共通点) |
南北朝 | 南北朝 |
エリア | 京都以外にも広まった | 京都のみ |
スポンサー | 大名 | 寺院(仏法を広める布教活動のため) |
流派 | 大蔵流・和泉流・鷺流 | 壬生(壬生寺)・嵯峨(清涼寺)・えんま(えんま堂) |
面 | 素面が多い。特別な役のみ着面 | 演者全員着面。面の下に白いさらしを巻く (顔の保護と面の保護のため) |
形式 | 悲劇・ミュージカル(歌劇)。舞踏劇、音楽、詩などの諸要素が交じり合う | 喜劇・・・素朴で親しみ安い |
楽器 | 笛・大鼓・小鼓・太鼓の4種類 | 鉦(かね)・太鼓・笛の3種類で「タン(カン)・デンデン」の くり返しのリズムが素朴 |
セリフの有無 | セリフがある | 壬生・嵯峨は無言劇(セリフ無し・パントマイム)、 えんま堂は無言劇と有言劇のどちらもある |
●舞台横の不賢象桜
後小松天皇もこの桜を愛でていたという。足利義満もこのえんま堂の桜と狂言を愛で、「桜のさかりに狂言を行うべし」として毎年、五十石の扶持米(ふちまい)を授けたという。
●公演を待つ観客
始まる頃には、観客が押し寄せ、後方では立ち見となりました。
●演目
日によって演目が異なります。この日の昼間の演目は、@閻魔庁(えんまちょう) A伯母ヶ酒(おばがさけ) B二人大名
C悪太郎 Dにせ地蔵 Eいろは F紅葉狩り でした。ひとつの演目の持ち時間は15分・20分・30分と異なります。夜は7時から行われます。
鉦(かね)・太鼓・横笛の演奏で行われます。「タン(鉦)・デンデン(太鼓)」のくり返しのリズムが素朴です。演奏は舞台の後方と、舞台向かって右側で行われます(写真;左)
★@閻魔庁(えんまちょう)・・無言劇
鬼(棒を持っている)が冥土に現れ、死者の存命中の記録の巻物を無理矢理、奪ってしまいます。鬼は、閻魔大王(赤・白の衣装を着ていすにすわっている)に仕える帳付に、巻物をわたします。帳付が閻魔大王に巻物を差し出します(写真;右)・・・・
・・・・・閻魔大王は巻物を読んでびっくり。死者から巻き上げた巻物には鬼の悪行の数々が記されていました。鬼は帳付にこらしめられ、閻魔様の前で白状し観念します。
★A伯母ヶ酒(おばがさけ)・・有言劇
酒好きの五平衛は、酒屋を営む伯母を何度も訪ねますが、何度訪ねてもいろいろ理由をつけては、一度も酒を出したことがありません。それを根に持った五平衛は、鬼になって伯母を驚かし酒を飲もうとします・・・・
・・・五平衛は鬼に化けて、「やいやい、ババア甥の五兵衛になぜ良い嫁をもらってやらぬ、やいやいババア五兵衛になぜ酒を飲ませぬ」と悪態をつきます。驚いて腰を抜かす伯母を尻目に「決してこちらを見るではないぞ」と言いながら、目当ての酒をぐびぐびあびます(写真;左)・・しかし飲み過ぎて五平衛は酔って寝てしまいます・・おそるおそる鬼の様子を見た伯母は鬼だと思っていたら、なんと甥の五平衛ではありませんか。伯母は怒ってほうきで五平衛をこらしめます。五平衛はあわてて逃げだします。有言劇はとてもわかりやすく、楽しいです。
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